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認知症に備えて今できること 財産管理を行う際の注意点

2024.01.18 | お知らせ

 さまざまな脳の病気により脳の神経細胞の働きが低下し、判断能力の低下が原因で社会生活に支障がある状態を認知症といいます。今回は、認知症を発症したときに生じる財産管理上のトラブルや、今からできる財産管理方法とその注意点などについて説明します。

認知症発症で生じるおそれのある財産管理上のトラブル

 認知症を発症して判断能力が低下すると、日常生活においても適切な意思決定ができなくなります。さらに認知症が進行して判断能力が不十分だと判断されると、財産管理においては次のようなトラブルが生じることがあります。
①銀行の口座が凍結される可能性がある
 たとえば、銀行のATMを正しく操作できない、窓口で行員に的確な応答ができないなど、金融機関側に認知症により判断能力が不十分だと判断されると、銀行口座が凍結される場合があります。
また、本人の判断能力が不十分であるときには、家族への代理権の授与が取り消される場合があり、極めて不安定な状態となります。
②不動産の売却ができない
 判断能力が不十分であるときには、不動産の売却などの契約にかかわる法律行為が取り消される場合があります。たとえば、自宅を売却して、その資金で老人ホームへ入居する計画を立てていても、売却できないといったことにもなりかねません。
③相続税対策ができなくなる
 遺言書の作成や生前贈与などの相続税対策は、判断能力が十分であることが前提とされるため、判断能力が低下するとみずからの意思による対策を行うことは困難になります。
④詐欺被害にあう可能性がある
 高齢者を狙った詐欺も多くあり、判断能力が衰えると、詐欺の被害にあうリスクが高くなります。
このように、認知症が発症・進行すると自分で財産管理をすることが困難となります。あらかじめ認知症に備えて対策を講じておくことが大切です。

認知症になる前となった後では選択肢が異なる財産の管理方法

 高齢者向けの財産管理方法には、『任意後見制度』や『民事信託』などがあります。
任意後見制度とは、本人の判断能力が十分なうちに、本人が選んだ人(任意後見人)と将来その人に委任する事務内容を公正証書による任意後見契約を締結しておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人が委任された事務を本人に代わって行う制度です。契約で定めておけば、任意後見人は財産管理のみならず、医療や介護などに関する法律行為を行うことができます。
民事信託とは、財産を信頼できる人(受託者)に預けて、その目的に従い財産の管理・処分を任せることをいいます。財産の所有名義も受託者に移転し、形式上は受託者が所有者として財産を管理・処分します。ただし、民事信託では、財産管理と処分のみが対象となり、看護などに関する法律行為を受託者に任せることはできません。
これに対して、認知症になり判断能力が不十分だと判断される場合の財産管理方法は、『法定後見制度』しか選択できません。法定後見制度には、認知症の程度に応じた「補助」「保佐」「後見」の3類型があり、家庭裁判所の審判により選任された「補助人」「保佐人」「成年後見人」が、本人の利益のために、本人の代理人として法律行為
をしたり、本人の法律行為に同意を与えたり、同意を得ないでした法律行為を取り消したりすることで本人を保護・支援します。
認知症により判断能力が低下した状態になると、財産管理を任せる方法も限られます。認知症に備えた財産管理について家族で話し合い、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

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