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知らないと損する可能性大?二次相続を想定した遺産分割

2021.04.07 | お知らせ

   最初の相続(一次相続)で相続人だった配偶者が亡くなったときの相続のことを、『二次相続』と呼びます。通常は、一次相続の相続人は“配偶者と子”、二次相続の相続人は“子”となりますから、遺産を分配する当事者が変わります。一次相続と二次相続の違いは相続税申告に大きく影響しますので、相続が起きたときには、二次相続まで想定して遺産分割をすることが大切です。

二次相続を想定しなかったために高額の相続税を払う結果に

   最初の相続時の相続財産が2億円で、相続人は妻と長男の2人だったという例から考えてみましょう。
配偶者が相続人の場合、配偶者控除を使えば1億6,000万円までは非課税になります。そこで2億円のうち1億6,000万円を妻が相続し、残りの4,000万円を長男が相続することにしました。このときの相続税負担額は、妻が0円、長男が668万円となります。
その後、10年以上経って妻が死亡。長男は1億6,000万円を相続しました。このときの相続税額は、3,260万円。長男は合計で、3,928万円の相続税を支払うことになりました。
一方、最初の相続時に法定相続分通り2分の1ずつ相続していたら、どうなっていたのでしょうか。
最初の相続で課税された相続税額は、妻が0円、長男が1,670万円。10年後に妻が死亡し、二次相続で長男が1憶円を相続すると相続税は1,220万円となり、合計で2,890万円の相続税を納めることとなりました。前者は相続対策(配偶者控除の適用)をしたつもりが、1,000万円以上相続税を余計に支払うことになってしまったのです。

二次相続時には配偶者控除が使えなくなることを知っておく

   前者のケースでは、配偶者控除を最大限に利用するために、一次相続で妻に財産を集中させました。その結果、相続税は668万円となり、法定相続割合通り2分の1ずつ相続したときと比べると半分以下に抑えられています。
しかし、二次相続時には配偶者控除が使えなくなるため、相続税の課税額が大きくなってしまいます。二次相続まで含めて考えると、一次相続で法定相続分通りに分割した場合に比べ、高額の相続税が課されることになったのです。
このように、配偶者が亡くなったときには、二次相続まで視野に入れて遺産分割を行う必要があるといえます。
二次相続を視野に入れて遺産分割をするとき、頭の片隅に置いておきたいのが『相次相続控除』です。これは、一次相続から10年以内に次の相続が起きたときに、新たに発生する相続税額から一定額が控除される制度です。
高齢の配偶者が財産を相続する場合には、相次相続控除ができる可能性も視野に入れておいたほうがよいでしょう

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