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相続したけど、前提の登記が未了だった!相続登記未了が原因で起きた失敗事例

2022.05.11 | お知らせ

    土地を相続したけれど、何らかの理由で相続の前提の登記がされていなかったというトラブルは、頻繁に起きています。今回は、登記未了のまま放置することで起きてしまった2つの困りごとを紹介します。

他人名義のままの物件は売却もできず相続人確定にも費用がかかる

 よくあるトラブルとしてあげられるのは、「土地を売ることになったのに売主名義にすることができず、売れない」というケースです。

●事例その1
 父が亡くなり、息子は相続した土地を売ることに決めました。しかし、登記簿謄本を取り寄せてみると、そもそも父の名義でもない、全然知らない他人名義の状態になっていました。父は「自分の土地だ」といっていましたが、契約書なども見つからず、父が所有していたことを証明できるものがありません。不動産会社に相談してみたところ、「他人名義の土地は仲介できない」と断られてしまいました。所有者が分からないため売却はおろか相続登記をすることもできません。

●事例その2
 先代が先々代から受け継いだ土地が、空き地のままずっと放置されています。相続人であるAさんはその土地に家を建てて住みたいと考え、土地の相続による所有権移転登記を司法書士に依頼しました。ところが調べてみたところ、何代か前から相続登記がされておらず、土地の相続人が20人以上に増えてしまっていることがわかりました。司法書士からは、「手続きを進めることもできるかも知れませんが、費用が莫大にかかります」といわれて途方に暮れています。
 
   以上のように、土地を相続したものの、いざ所有者を調べてみたら、相続登記の前提で必要な登記がされていなかったということは意外に多くあります。

相続登記未了の土地であっても固定資産税を支払う義務はある

   土地に関する必要な登記をせずに放置すると、相続人がこうしたトラブルに直面してしまう可能性があります。
相続人同士で意見が食い違い、話合いが進まない場合であっても、面倒だからといって放置してはいけません。次の世代の相続人がその土地を登記する必要が生じた際に、問題を処理しなければならなくなるからです。
土地の相続人が複数いて、話し合いが難しいとなったら、裁判所にて、遺産分割調停や遺産に関する紛争調整調停など、相続に関する調停を申し込むこともできます。しかし、こうした手間をかけさせないためにも、相続登記はきちんと済ませておくことが望まれます。
 また、相続登記をせずにそのままにしておけば、固定資産税の請求が来ないと考えている人もいるかもしれません。しかし、相続登記をしていない土地については、『現所有者』として相続人全員に固定資産税を納める義務があります。もし、所有者が亡くなった後、相続人が不明で、その土地に住んでいる人がいる場合は、『使用者』であるその人に納税義務が生じます。
 
   登記には費用も手間もかかります。だからこそ後回しにしないことです。相続財産のなかに不動産がある場合は、早めに手続きを進めましょう。

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