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相続開始直前に発覚!意外に多い相続財産の『使途不明金』

2020.10.21 | お知らせ

使途不明金とは、被相続人以外の誰かによって、その使途が不明なまま被相続人名義の口座から引き落とされた預貯金のことをいいます。相続開始後に口座を確認したら、誰かが預金を引き出しており、あったはずの相続財産が目減りしていたというケースは珍しくありません。こうした問題が起きてしまったときのために、『使途不明金』について解説します。

使途不明金は遺産分割時に損害賠償請求や返還請求が可能

遺産分割は、相続財産のうち預金の一部が生前に引き出されていた場合であっても、引き出されたお金が被相続人自身のために使われたのであれば、相続開始時に残された遺産をもとに分けるというのが原則です。しかし、使途不明金がある場合は、相続人など、被相続人以外の人が勝手に引き出して自分のために使った可能性があります。
 だとすると、それは不法行為ですから、もし被相続人が生前にそれを知った場合は、不当利得として、その返還を請求することができます。あるいは預金を勝手に下ろした相続人に対して損害賠償請求が可能です。
 そして、その預金の持ち主である被相続人が亡くなっている場合には、ほかの相続人が「私たちに返しなさい」と請求できることになります。ただ、第三者が預金を勝手に下ろしたということを立証するのはなかなか困難なので、弁護士などの専門家に依頼するほうが得策といえるでしょう。

『使途不明金』は税務調査の対象になることがある

税務署も使途不明金を気にかけているため、額が多ければ多いほど、何のために使われたのかを追及される可能性が高まります。
 使途が証明できずに使途不明金とみなされれば相続税の修正申告を求められ、延滞税などのペナルティがかかることがあります。場合によっては、みなし贈与として贈与税が加算される可能性も否定できません。
 先に述べたとおり、相続人が被相続人に頼まれて預貯金を引き出し、被相続人のために使ったという証拠があれば問題ありません。しかし、その事実を立証できなかったり、話し合いで解決しなかったりした場合は調停や訴訟をすることになり、コストや時間がかかるので注意しましょう。
 相続が開始する前に、できるだけ使途不明金が発生しないよう、信頼のできる人に預金の管理を任せる、一人に任せるのではなく全員で情報を共有しておくなどの工夫が必要です。

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