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相続人の9割が失敗する相続準備(2)~ネット証券など電子化財産の相続~

2019.07.19 | お知らせ

ネットバンクやネット証券は、手軽さや取引手数料をはじめとして様々なメリットがあります。
その一方で、大部分がWEB上で完結することも多く、実態が掴みにくいといった側面もあります。
そうした財産について、相続の際はどのように扱っていけば良いでしょうか。

相続人が相続できる財産としては、預貯金や不動産などのほかに、
インターネット取引による財産があります。
その典型例としてあげられるのが、ネット証券やネットバンクの口座取引などで、
最近では仮想通貨も注目されています。
そこで、今回はインターネット取引による財産の問題点とその対策についてご紹介します。

ネット取引による財産の問題点と対策とは?

(1)ネット証券やネットバンクの預金

被相続人がインターネットを介して行っている投資や預金に関しては、
まず相続人がその存在を知っていれば、IDやパスワードがわからなくても、
証券会社や銀行に対して相続に関する手続きを取ることができます。

問題なのは、相続人がそれらの存在を知らない場合です。
誰も存在を知らない財産は金融機関に問い合わせることもできません。
もしも被相続人が何らかのインターネット取引による財産を有していると思われるときには、
被相続人の預金明細などを調べ、取引履歴を確認しましょう。
理由のわからない取引があれば、金融機関や証券会社に問い合わせることで
存在が判明することがあります。

ネットバンクに預金がある場合は一般的な銀行口座と同じく、預金が凍結され、
手続きが終われば預金額が相続人に渡ります。
しかしネット証券で未決済の先物取引がある場合には、
買戻しや転売によって決裁した後に残高が返金になるため、
市場の動向によってはほとんど資産が返ってこないこともあります。

(2)仮想通貨

ビットコインなどの仮想通貨が相続財産となるケースも出てきました。
仮想通貨についてはまだ法整備が十分に進んでいないのが現状ですが、
国税庁の通達などにより、徐々に整備されてきています。

まず、「仮想通貨が相続財産に含まれるのか」については、含まれることが明らかになりました。

次に、どのように仮想通貨を評価するのかという点については
『活発な市場が存在する場合は仮想通貨交換業者が公表する
課税時期における取引価格による評価を行う』とされ、
市場が存在しない仮想通貨については、仮想通貨の実体を踏まえて個別に評価するとしています。

被相続人は、IDやパスワードを書き残しておくほか、
遺言書にもインターネット取引による財産の存在が特定できるよう記載しておくことが重要です。
まだ遺言書の準備をしていないという場合でも、家族などには電子化財産の存在を伝えておきましょう。

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